カウンセリング例 ②怒り
- まやはるこ

- Jun 13, 2021
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カウンセリングにきた人:30代男性。Nさん。独身。
相談内容:
抑えられない怒りがあります。何とかしないと感情が爆発しそうな自分が怖い。
カウンセラーからの質問:
抑えられない怒りがあるということですが、関係がないと思われる内容でもかまいません。
思いつくままお話し下さい。
A:僕には、両親と兄が一人います。家庭に何の不満もありません。大学まで行かせてもらえ何不自由なく育ちました。今は気ままな一人暮らしです。定職にはつかずフリーターをしています。僕の兄は優秀で、両親の期待に応えて医者をしています。
正直に言いますと、小学校の頃から優秀な兄と比べられ生きてきました。
無能な自分はコンプレックスの塊でした。
顔はいつも笑って、まるで仮面を被っているようでした。
それも辛くなり、最近、何が何だか怒りが膨らんできて、どうしたらよいのかわからなくなっていました。
誰にも、この気持ちを話したことはありませんでした。
風船のように怒りが膨らんで爆発寸前だったのかもしれません。
話せてよかったです。
カウンセリング後の感想:兄と比べられて、両親に「嫌われたくない」「がっかりさせたくない」と焦っていた自分、期待に応えられない自分に怒りが向いていたことに気がつきました。怒りの理由がわかった時、傷ついていた自分が愛おしくなりました。以来、怒りの前に、「自分自身を受け入れよう」という気持ちになり、だんだんと心が整理されていきました。比べられることを怖がらずに、自分にできることからやって行こうという気持ちに変わりました。
〜話すことは、第一歩です〜
「私という存在は、他の誰にもなれません。私は私にしかなれない」
とはいうものの、それぞれ抱えているものは大きく、
簡単にはいかないものです。
Nさんは、これまでを振り返り、自分を傷つけてきました、と言います。
素直に受け入れた時、同時に意識が変わり、
生きる方向も大きく変わります。
※この記事は、ご本人の許可を得て公開しています※




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